WELLA × CYAN イルミナカラーコンテストのグランプリ 橋ヶ谷さんへインタビュー

新たなヘアトレンドを生み出し続けるWELLAとCYANがコラボし、8月に開催されたイルミナカラーフォトコンテスト。見事グランプリを獲得したのは、PEEK-A-BOO銀座並木通り店の橋ヶ谷桃子さん。彼女の原点と作品づくり込める想いとは。


“どれだけエネルギーを注げるか” が信頼に繋がる

 静岡の実家は、1階が母親の経営する美容院、2階が住居スペース。そんな環境で育った橋ヶ谷さんにとって、美容に触れることは生活のごく一部であり、当たり前のことだったそう。

「高校で進路を決める頃には、自分は美容師になるものだと思っていました。母親は美容師として働く以外にも、ホリスティックビューティを取り入れたり、エステも行っていたので、私も自然と美容に関わる仕事=美容師になることを考えていました」。

  そのまま地元の美容専門学校に進学した橋ヶ谷さんは、そこで自身が現在勤めるヘアサロン『PEEK-A-BOO』の存在を知る。

「授業のカット講習で、月1回くらいのペースで講師として教えに来ていたのが、PEEK-A-BOOのスタイリストさんでした。PEEK-A-BOOが生み出すスタイルは、ハイクオリティでシンプルであることが前提なのはもちろん、絶対ポジティブであり、誰かが見た時に明るく笑顔になれることをテーマに掲げているとを知りました。私の人生の中で、“笑顔”は一つのテーマであり、就活時に改めて、どうして美容師になりたいのか、どんな美容師を目指したいのかを考えた時、自分の考えと通ずる部分をPEEK-A-BOOに感じたんです」。

 その後に採用試験を経て、見事PEEK-A-BOOへ入社。現在美容師6年目を迎えた橋ヶ谷さんは、長く続くお店の歴史の中ではまだまだ若手のポジションなんだとか。

「先輩たちは素晴らしい技術を持った人たちばかりなので、その中で上を目指すには練習と経験を重ねてクオリティを高めるのみです。また、“どれだけお客様にエネルギーを注げるか”が重要であることも先輩の姿を見て学びました。お客様は、自分の新しい一面を見つけたい、きれいになりたいという想いで来てくださっているので、その方の外見と内面の素敵なところを引き出せるように意識しながらコミュニケーションをとります。何度でもクオリティを下げず、飽きさせない変化をつけながら信頼を得ることで、関係性を長く築いているんだなと実感します」。

作品づくりは、その人を知って理解することが重要

 そんなサロンワークでの学びを実践として身につけることができたのは、コロナ禍でのある行動からだった。

「スタイリストとしてデビューした時はコロナ禍だったので、お客様がどんどん減ってしまい、もどかしい日々が続いていました。何か別のところからアプローチできないかと思いついたのが、ハリウッドブロウリフトという眉毛を整えるお仕事。骨格や生え癖を理解する必要があるので、美容師とも繋がるところがあり、髪も含めたトータルの“似合わせ”を提案できると思ったんです。個人の意見を尊重してくれる会社なので、社長に許可をいただき、ヘアサロンで眉の施術を始めました。すると新規のお客様も増えて半年で売上も回復し、お客様への接客レベルも自然と上がった気がします。今年の10月からは全店で施術が導入されることになり、その結果が自信になり、今の良い流れが掴めたと感じています」。

“似合わせ”の追求から、自らの可能性を広げた橋ヶ谷さん。その想いは作品づくりにも表れていた。

「作品と向き合う時のマイルールは、自分がやりたいことではなく、モデルさんに似合うものを第一優先にすること。性格や趣味を知って、本人の内面もちゃんと映し出せる作品にしないと、絶対写真に表れちゃうと思うんです。今回のイルミナカラーを使ったフォトコンテストも、サロンワークとヘアショーの中間のような存在で、無理にブリーチをすることなく、“その人の良さを最高の状態で出す”という自分のスタイルともマッチしていたのかなと思います。コンテストで賞をいただくことは、誰かに認めてもらえたという自信に繋がるので、定期的に参加をして感性を磨いていきたいです。若手世代で、新しく何かを起こす人って今はまだ多くはないので、私もまだ周りが見れていないことに最初に挑戦したいと思っています。ある意味で、PEEK-A-BOOのイメージを変えたい。ずっと継承していくべき伝統や技術を残したまま新しいものを取り入れて、このお店だからこそできるハイクオリティのスタイルを提供する。今までのイメージにないところへ、自分を発信していきたいと思っています」。

WELLA イルミナカラー コンテスト優勝作品

90’sのストリートファッションを彷彿とさせる攻めの姿勢と、今っぽい品の良さをしっかりと感じるスタイル。アレンジをしてもヘアカラーがポイントとなり、想像力をかき立たせてくれるようなデザイン性が最大の評価ポイント。アクティブ感のある透明感カラーとラフにおろしたバング、それを鬱陶しく思わせないよう耳にかけたサイドや後れ毛の曲線など、ディテールの細部にまでこだわりを感じる作品。

「透明感がありつつ、どこかカジュアルな印象のモデルさんだったので、赤みのないグレイッシュなカラーを目指して作りました。ローライトと顔まわりの毛束で動きをつけたのがポイントです。元々CYANが好きで、CYANのインスタでヘアデザイン募集が開始された時からアピールするために作品をアップしていたので、今回まさかグランプリをいただけるなんて本当に驚きでした。貴重な経験をありがとうございました」(橋ヶ谷さん)

Profile

橋ヶ谷 桃子

PEEK-A-BOO 銀座並木通り店stylist

PEEK-A-BOO 銀座並木通り店stylist

Instagram : @peekaboo_momoko_hashigaya


Edit & Text   ARISA SATO