hinceのフレグランスで アティテュードを完成させる
22 Aug 2022
A Scent of A Scene
香りの中に閉じ込められた、 いくつかのシーンについて。
祖母から母、母からわたしへ、時を超えて受け継がれてきたお気に入りのシルクのヴィンテージ・スカーフ。それを纏うとき、彼女たちの尊敬せざるをえない知性や品さえ授けられ現代を生きるわたしの姿を、彼女たちが見守ってくれていると感じる。そのスカーフが似合う優雅で洗練された女性への“永遠の憧れ”の香り。
Brand : hince
Name : “EAU DE PARFUM 01 THE SCARF”
Perfumer : Suzy Le Helley
Type : Eau De Parfum
Notes : Orris, Jasmine, Sweet Musk, Palo Santo, Sandal Wood Oil
ひとりひとりの特有の雰囲気を高め、潜在している本来の美しさを発現させる“Mood-Narrative”をキーワードに掲げ、その唯一無二の色設計やデザイン性で注目を集めるコスメブランドhince(ヒンス)。ミレニアル世代のみならず、その品のある発色やナチュラルで軽やかな質感、眺めているだけでも幸福になれるようなパッケージは、世代を超えて多くの人々に愛されている。自らの信念と熱望に確信を持ち、より情熱的に生きていく人生にインスピレーションを与えたいという願いのもと、優雅で知的な美を授けてくれる新時代のアイコンとなりつつあるブランドだ。
ヒンスはこれまで、密度のある感覚的なカラーを通じてブランドメッセージを多彩な姿で表現してきた。そして今年、フレグランスこそ、もうひとつのナラティブを重ね本来の美しさを発現させ、自分だけの雰囲気を表すことができるツールだと考え、待望のフレグランスラインをローンチすることになった。新たに生まれたヒンスのフレグランスは、色彩と質感の上に、それらが持つ固有の情緒や感情を添えてくれる存在。メイクアップの最後に香りを加えることによって、自分だけのムードとトーン、アティテュードを完成させてくれる、いわば「ラストパフォーマー」として誕生した。
ヒンスのフレグランスコレクションは、全部で5つの香りで、すべてがウッディベース。これらは、空間の中で特別な印象を与えるユニークなオブジェのように、 秩序整然としたようで乱れた、見慣れたようで違和感のある、想像の中の“My Allure Space”に置かれた香りをそれぞれ表現する。日々変わるその時々の気持ち、それによってファッションやメイクアップも変化するわたしたち。そんな、その日その日のムードとアティテュードを完成させる、ブランドならではのフレグランス・ナラティブを届けてくれるコレクションとなっている。ボトルには当然、ヒンスのデザイン真意が反映されている。ヒンスのアイテムのパッケージはどれも、積み重ねて完成させる究極の美しさのための過程を、面と線をつなぐシルエット、立体的な見た目で表現した、洗練されたフォルムで、じつに惚れ惚れとする。この真意に基づいて、ヒンスおなじみのデザインシステムに繊細なねじれという非定型的なアクセントを入れ、単純な香水ボトルで終わるのではなく、空間の中のひとつのオブジェとして美しさを発揮できるようなデザインとなっている。
今回ピックアップした『01 ザ ・スカーフ』は、淡々としたようで優雅な、そして落ち着いた魅惑が感じられるシグネチャーともいえる香り。アイリスとムスクのシルキーな調和に、サンダルウッドとパロサントのウッディなアクセントがまろやかな深みを加える柔らかな香りは、シルクの肌触りを思い出させるよう。アイリスのフローラルの香りがフェミニンな印象を与えすぎないように。と同時に、ウッディ系のベースノートでありながらもアーシーに偏らず、ニッチになりすぎないよう調合されることで、どのようなシーンや人も排除しない懐の広いフレグランスとして構成されている。最初にひと吹きしたときから感じることのできる繊細なアイリスのアロマティックな香りと、柔らかいウッディの香りが調和し、全体的に都会的で洗練された、エレガントな仕上がりとなっている。
コレクションの香りはどれも、スカーフ、ピロー、フラットシューズ、シャツ、ランプといった自分が最も素の姿でいることを許される自室の中の、お気に入りのピースの名前が授けられている。『01 ザ ・スカーフ』は、柔らかな瞑想が流れる落ち着いた室内で、一日のはじまりにシルクスカーフを巻く女性の優美なアティテュードを真似るように纏ってほしい。揺るがない自身の信念をエンパワーし、この上なく確信に満ちた今日をスタートさせてくれるパートナーとなってくれるはずだ。
- オードゥ パルファム 01 ザ・スカーフ(hince)¥7150
Photography : KENICHI SUGIMORI
Edit & Text : TOKO TOGASHI
こちらの情報は『CYAN ISSUE 35』に掲載された内容を編集したものです。