なぜビタミンは身体に必要なの?知っておきたい「ビタミン」のはたらき

いまこそ知りたい、ビタミンのはなし。ep1


身体に贈るビタミンという愛情

ビタミンは体内で作れず、失われやすい。
だから、体の声に耳を傾けてみる。

美容や健康について考えた時、思い浮かべるのはビタミンのこと。なぜなら、スキンケアやサプリなど、身の回りのアイテムにたくさん含まれているから。この栄養素は人間が生きていくうえで欠かすことができないもので、身体の中で呼吸や消化、排泄、血液の循環などの生理現象を維持している。

これまでに13種類ものビタミンが発見されているが、さらに細かく分類すると脂溶性が4種類、水溶性は9種類に分けることができる。ビタミンAやD、Eは脂溶性で、油に溶けやすい。脂溶性のビタミンは肝臓や脂肪組織に貯まるため、不足はしにくいものの、毎日の生活で欠乏しないように摂り続けることも忘れてはならない。一方で水溶性のビタミンであるB群やCは、体外へ排出されやすい性質を持つので、欠乏症にならないように積極的に補う必要がある。

そんなビタミンの多くは、人間が生きていくうえで欠かせないにもかかわらず、体の中でほとんど作られない。そのため、外から摂取しなければならない必須な栄養素といわれている。一部のビタミンは腸内細菌によって体内で合成されるものの、必要十分な量を摂るためには、食事やサプリメント、スキンケアで補うことを心がけたい。

ビタミンは体内から出ていくと不調を招いてしまう、私たちが生きていくうえで欠かせない栄養素。だから日々の生活を通して、どのビタミンが足りていないのか、身体と対話をすることが重要だ。

知っておきたいビタミンのはたらき

ビタミンA

病原菌を防ぐバリア機能を持ち、肌や粘膜を健やかに保つビタミン。さらに、光の刺激から目を守ったり、視覚の明暗順応の反応にも欠かせない。油脂に溶けやすい性質を持つ。
Food:レバー・にんじん

ビタミンB2

糖質やタンパク質、とくに脂質をエネルギーに変えるので、代謝が気になるときは積極的に摂ることがおすすめ。髪や肌、粘膜の維持に関わる「美容のビタミン」ともいわれている。
Food:納豆・アボカド

ビタミンC

肌のハリを支えるコラーゲンの合成に欠かせない。強い抗酸化作用があるので、シミなどのエイジングケアにも効果があるそう。また鉄分と併せて摂ることで吸収をサポート。
Food:パプリカ・オレンジ

ビタミンE

脂溶性の抗酸化物質の代表であるが、体内の脂質の酸化を防ぎ、細胞を守る。「若返りのビタミン」とも呼ばれ、血流の改善やエイジングケア、生活習慣病の予防にも効果的。
Food:オリーブオイル・アーモンド

次のエピソードでは、不足しがちなビタミンを効率的に摂取できるオススメアイテムをご紹介。こちらをチェック!


監修:斎藤糧三
医師。日本機能性医学研究所所長。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。

参考文献
斎藤糧三(2017)『病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』講談社
川田暁(2019)『女性医師が教えるスーパービタミンC美肌術』日経BP
五関正江(2023)『ビタミン・ミネラルがよくわかる本』つちや書店

Photography: KENICHI SUGIMORI
Edit & Text: KARIN KUROYANAGI

こちらの情報は『CYAN ISSUE 40 S/S 2024』に掲載された内容を再編集したものです。