CYAN Special Interview / 資生堂 トップヘアメイクアップアーティスト 原田 忠

20代で航空自衛隊の航空管制官から美容師へと転身、後に資生堂が運営するヘアメイクスクールSABFA(サブファ)に入り、資生堂ヘアメイクアップアーティストに。ヘアメイクアップアーティストとして活動しながら、美容業界のアカデミー賞と称される「Japan Hairdressing Awards」(以下、JHA)で二度のグランプリ受賞を果たし、2016年から2019年にはSABFA卒業生初の校長を務めた。2024年に「International Beauty Industry Awards」3部門でグランプリを受賞。唯一無二な表現を追求するクリエイターであり、グローバルな視野を持ったエデュケーターでもある、原田 忠(Tadashi Harada)さんの情熱の源泉と未来に掲げるビジョンについて伺った。

伝統に学び、革新に挑み、人との関わりから個性を築く

資生堂ビューティークリエイションセンターには約40名のヘアメイクアップアーティストが所属しており、その中でもトップヘアメイクアップアーティストとして活躍している原田さん。SABFAを卒業後、資生堂に入社してNY・パリ・上海・東京コレクションのバックステージや宣伝広告のヘアメイクなどを担当、数々の商品開発にも携わってきた。また、著名アーティストのCDジャケットやミュージックビデオにビューティーディレクターとしても参画している。

2017年に、人気漫画のキャラクターなどから着想を得てヘアメイクとファッションによってアート性の高い三次元のビジュアルで表現した作品などを収めた、自身初の作品集『原田忠全部』(女性モード社)を発刊。国内はもちろん世界からも高い評価を受けて注目を集めた。

今年、2024年に「International Beauty Industry Awards」(以下、IBIアワード)の8部門でファイナリストにノミネートされ、3部門でグランプリを受賞するという快挙を果たした原田さん。このタイミングで海外のコンテストに挑戦した、その動機とは。

「20年近く僕がチャレンジしていたJHAは、2022年から審査員に就任したので。そうなってしまうと自分が人から評価される機会は、もう国内だと得にくくなってしまったなと。でも自分としては、ずっと日本のみならずグローバルな視点での作風や作品づくりを心がけていることもあって、世界のステージに挑んでみようと思いました。世界に目を向けると本当にいろいろなコンテストがあるんですけど、IBIアワードは非営利な団体が開催している点や、カテゴリーが沢山ある点に惹かれました。新たに作品撮りもしましたが、既存の作品を応募してOKというのも、自分が作ってきたいろんなジャンルの作品の中から、カテゴリーにアジャストする作品を選べて面白そうだと感じて」

グランプリに輝いたのは、編み込みヘアスタイル部門 、メイクアップアート部門、ハイファッションメイクアップ部門の3部門。ヘアの技術、メイクのアート性、ファッションと融合した時の洗練度、これはトータルで評価されたといっても過言ではない結果。

「傾向も対策もわからない中で、このような評価を受けられたのは本当に嬉しかったし光栄でした。グランプリを受賞したのは過去作品でしたが、色褪せないものを作れていたことが証明されたのかなと。作品づくりには多少なりとも流行が影響するし、消費されてしまうことも多いのですが、僕は時間を超えるようなシンボリックさをいつも作品に込めようと意図してきたので。これまで作ってきたものにも、まだ惹きつけるパワーがあるんだ!という気持ちになりました。IBIアワードについては、まだチャレンジしてみたい部門があるので継続的に応募するつもりです」

世界での活躍を意識した時に立ち返った日本髪の魅力

IBIアワードのハイファッションメイクアップ部門で魅せた、日本髪をアバンギャルドに表現したスタイルが物語る通り、日本髪は原田さんにとって今も熱いテーマの一つ。この秋開催された、資生堂プロフェッショナル Beauty Creators Connect 2024のステージでは、現代的にアレンジした結髪を披露してショーの大トリを務めた。

「コロナ禍に、この状況が落ち着いたらグローバル化が一気に進むだろうなと漠然と思って。そしてその時に自分が何も変わってなかったら…って考えた時、ちょっと危機感を覚えたんです。すでにアジア圏でセミナーをしていましたが、もっと“世界から呼ばれる人間になる”という次なるステージを目指して、コロナ禍はその準備期間にしようと思い立ちました。世界から求められる日本らしさというと、ヘアならやはり日本髪かなと思い、自腹を切って結髪師に教えを請いに出向きあらためて学んでいます。そして伝統的な結髪をする方はすでにいっぱいいるので、自分がやるならば一から勉強した上で、新たな切り口の発信や表現を創りたいと思っています」

「僕が学んでいるのは、比較的サロンワークでも使えるような新日本髪と鬢付け油を使った古典的な結髪です。ショーでは短い時間でパフォーマンスにまとめる必要があるのでだいぶデフォルメしていますが、和と洋のミックスやヘアカラーを取り入れたのは、現代にも結髪が残っていたならば、どんな感じになるだろう?といろんな角度から想像を膨らませているうちにたどり着きました」

例えば、原宿の竹下通りを歩いているような子たちはカラフルな髪を結い上げていたかもしれないし、予想もつかないようないろんな飾りをつけていたかもしれない…など、原田さんは現代のカルチャーに紐づけながらスタイルを考案していったのだそう。

「結髪をする時の特有の所作、櫛ひとつにしても、日本髪の考え方って美しいんです。今でいうスタイリング剤やゴムもなくて、鬢付け油が硬いか柔らかいかくらいの差や、ゴム紐の代わりになる和紙で作った元結くらいしか選択肢がない。しかもそれが江戸時代の鎖国中の200年間、ずっと進化し続けていたんです。現存するだけでも500パターンぐらいあると言われていて、当時はおそらく1000パターンぐらいのバリエーションがあったのではないかと。それはもう、僕らが普段サロンワークでさまざまなヘアスタイルを作っているのと変わらない状況で。新しさを学ぶことも大切ですが、古本屋さんに足を運んだり古書を扱うwebショップでいろんな本を買い漁ったり、古きに学ぶっていうのもすごく新鮮で、これからも学びは続いていくと思います」

原田さんの日本文化へのリスペクトは、日本髪に関することのみならず、文学やデザインにも及ぶ。自身のクリエイションを追求する中で、日本建築の暗がりに潜む美しさを説いた谷崎潤一郎のエッセイ集『陰翳礼賛』は、とても感化された書籍の一つだそう。

「言葉に表現される日本的な表現、意味合いを探ることがわりと好きなんです。日本って、色にしても微差で何百もの色名が作られていたり、そういうところに目を向けるだけでも表現の幅が広がるように感じています。もう少し現代的なところだと、90年代の『新世紀エヴァンゲリオン』のタイトルのタイポグラフィとかも惹かれます。緊張感のある明朝体で、部分的にいきなり縦に流れたりして。漢字ひとつにしても、台湾や中国に行くと同じアジア圏でもまた雰囲気が違いますよね。フォント選びや配置の仕方でどんな風に印象が変わるのか、そういったデザイン視点での観察も好きですね」

原田さんが校長を務めている期間、アジア展開の目標を掲げていたSABFA。そしてちょうどその頃は、2017年に出版された作品集『原田忠全部』が海外でも話題になっていたタイミングだったため、原田さんは書籍のプロモーションも兼ねてアジア各所に出向きセミナーを行ったそう。その流れは、残念ながらコロナ禍で万事休すとなってしまっていたが、今年に入って原田さんが先陣を切るかたちで再び動き始めた。

「8年ぶりぐらいに訪ねた台湾は、だいぶ変化して美容も盛り上がっていました。今回、SABFAと一緒に美容の教育をやりたいと手を挙げてくれたのは、美容学科のある建國科技大學というところ。台湾にもいわゆる美容専門学校はありますが、四年制大学で美容を学べるはその大学だけなんです。そこでイベントをさせていただいて、クリエイションに取り組んでいるところやサロンワーク主体のところなど、企業型の大きなサロンさん3つくらいともご挨拶できました。来年以降は、建國科技大學と手を取り合いながらなにか互いの刺激になる活動をしていきたいと思っています。台湾は国が美容の学びに補助金を出してくれる制度があるので、国内だけでなく海外でインターンをしたい方に向けてSABFAでカリキュラムを構築したりとか、逆に日本のSABFAの生徒が台湾で経験を積みに行くような交換留学の可能性など、双方に有益なアプローチを考えたいですね」

40代以降に向けたメンズビューティー啓発企画を自ら立案

一方、国内の取り組みで注目なのが、原田さんが企画したヘアメイクの力で資生堂の男性社員を変身させるメンズビューティー企画『DIAMENS』だ。こちらもコロナ禍に企画が立ち上がり、予想を越える反響を呼んだ結果、新たな局面を迎えつつある。

「僕自身、ここ数年でちょっとした肌のトラブルや加齢に抗う部分を感じるようになって、ふと思ったんです。同じ40代以降の男性は、仕事や家族のことが先行して鏡をちゃんと見る時間が減っていたり、自分の身だしなみとしての美容は後回しになっているんだろうなと。ならばヘアメイクでいま一度自分の魅力に気づいてもらって、自分の個性を受け入れて大切にしながら年を重ねましょう、そんなメッセージを伝えられたらと企画を立ち上げました。身近な同僚がかっこよくなれば、そこから新しいコミュニケーションが生まれて周りもハッピーになる。それに男性社員に関しては、化粧品を作る会社にいても、日常的にメイクをする人はまだそんなに多くはいないだろうと。商品知識をより深めつつ、ヘアメイクってこんなにも日々のモチベーションを上げるんだよっていう事を実感してもらえる機会になればと」こうして等身大の企画をスタートさせた。

「タイトルに皆さんが好印象を持てるようなワードを使うことも、啓発的な企画をスムーズに進めるには大事だと思うんです。それで、40代以降の男性を輝かせるという意味でDIAMONDとMENSを組み合わせた、DIAMENS(ダイアメンズ)という造語を考えました。社内的な企画なので 3ヶ月に 1回とややスローな更新ですが、動画コンテンツが増えていくうちに皆さん楽しみにしてくれるようになりました。体験した人が部署に戻ると、ビフォーも素敵だったけどアフターもかっこいい!と、それだけでコミュニティが活気づくんです」

「男性の場合、眉や髭の処理というのは身だしなみとして欠かせませんが、メイクというところだと、まずは皮脂浮きを押さえてリップで口元の乾燥を防ぐ、くらいから始めれば十分です」出張形式も増えてきたDIAMENSの撮影では、アイブローをはじめ毛穴をカバーする部分用の下地やコンシーラーなど、スティックタイプのコスメが重宝しているそう。

「社内で話題となった結果、体験したいと名乗り出てくれる人もいますし、各部署がキーパーソン的な人をアサインしてくれたり。資生堂の社長直轄の大きな社内プロジェクトの中で、DIAMENSの企画を一緒にやりたいという声がけもあって、DIAMENSという言葉がどんどん一人歩きするようになりました。最近は汐留本社だけでなく、全国各地の営業本部や工場へと範囲を拡大して出張形式で行ったり、また、去年は社内を飛び出してJR西日本の社員さんや、名古屋グランパスの選手にもヘアメイクを体験してもらいました。各地のヘアサロンさんからのセミナー希望もあります。スタイリストさんが男性のお客さまにメイクのアドバイスをしたり、実際にしてあげる場面というのは、サロンワークの中でもまだ少ないので。アーティストが考えたコンテンツが良い意味でメンズビューティーという分野を活性化し、さらにそれが外の世界へと拡がっていく構図が生まれたので、来年以降はDIAMENSもグローバル展開していきたいという野望を抱いています」

近未来、宇宙空間で暮らす人のための美容ハウツー開発

まさに八面六臂の活躍という表現がふさわしい原田さん。その頭の中には、すでに次世代、次々世代のための美容の構想もある。それが、現在取り組んでいる“宇宙美容”だ。いずれ実現するであろう宇宙での生活において、美容にまつわるさまざまな課題を解決すべく、ハウツーの開発にあたっているという。

「さまざまな企業や団体で構成される、宇宙美容の共創プロジェクトに参画するかたちで取り組んでいます。歴史を巻き戻しても同じことがいえますが、人が集まり、住まうところには必ず美容の需要と文化が生まれます。すでに宇宙ステーションでの生活でも、当たり前のように髪をシャンプーしたり乾かしたりということをしていますが、現状は地上でのやり方をそのまま持っていっています。宇宙に行くと水の使用をはじめとしてものすごくリソース(資源や物資)が制限されるので、そういった部分での工夫はすでに行われています。ただ、もっとイノベーティブなことが必要というか、より簡単に頭皮や髪のさっぱり感を得られるアイテムを考えたりすることは可能だと思います。どうしても優先順位が低くなりがちな宇宙での美容面に対して、今のうちに課題を抽出して解決策をどんどん見出していこうという取り組みです」

「命を削りながら創っていることが伝わってくるような、熱量を感じるものが好きです」。お気に入りの洋書は、現在携わっている“宇宙美容”とどこかリンクするようなムードを感じる2冊。左から 米SF映画『エイリアン』のクリーチャーデザイナーH.R.Gigerの作品集「WWW HR Giger Com」、逆三角形のシルエットを始めフューチャリスティックで構築的なデザインのドレスで知られるティエリー・ミュグレーの作品集「THIERRY MUGLER FASHION FETISH FANTASY」。

「2025年には商業宇宙船を飛ばしてのブライダルが始まるなど、宇宙産業はすごいスピードで進んでいます。僕らの世代は宇宙に行けない人がほとんどかもしれないですけど、今10代とか若い世代の方たちは宇宙飛行士にならずとも行けるようになるでしょう。その時に役立つ美容のノウハウ開発というのは、まだどこの国もやっていないと思います。日本で築いた礎が、いずれ宇宙空間で使われる美容の考え方やハウツーの当たり前になっていればいいな、という想いで頑張っています。例えばメイクをするにしても、無重力の宇宙空間だと手を動かしたら自分も回転してしまうので、手を使って作業をする時は、体を3箇所くらい固定してから行うとか。宇宙生活においては、髪の毛もそのままだと常に広がったままなので、どんな風に結んだら素敵に見えるのか。カットの時は髪を切ったそばから飛び散るので、掃除機のように吸う機能が付いたノズルにバリカンを付けるのはどうだろう?などといったことを、想像力を働かせながら一生懸命考えています。かなり大変ですが、面白くもありますね」

テクノロジーが進歩しても変わることのない美意識の根幹

原田さんがよく口にされている「最新の自分が最高であるために」。この言葉の前提にはつねに学びチャレンジし続ける姿勢が不可欠だが、これからヘアメイクアップを学ぶ人に伝えたい、期待していることはどんなことなのだろうか。

「僕はSABFAに通っている頃から、自分が決めたゴールみたいなものに対し、どれだけクオリティを上げられるか、世界観を突き詰められるかをずっと大事にしていて。そういうスタンスが、今年のIBIアワードの結果に繋がったとも感じています。JHAでは審査をする側ですが、ネットを駆使すれば簡単にいろんな作品を見れてしまうせいか、レベルは総じて高いのにどこかで見たような既視感があることが多いんです。みんなもっと好き勝手やっても良いというか、自分の中の“これが好き”を煮詰めた、突き出たものを見てみたいなと思ってます。これだけ情報が溢れている世の中だと、誰とも被らないものを作るとか、どこにもないジャンルを生み出して己の個性として打ち出すみたいなことを、流行りにも寄らず迷いなく実行するというのは確かに大変かもしれませんが、コンテストに応募する人やSABFAに入りたいという人にはそこを期待しています」

SABFAは2025年度 4月からカリキュラムを刷新、新コースも開講される。卒業生で初めて校長を務めた原田さんが思う、これまでもこれからも変わることのないであろうSABFAの魅力とは。

「SABFAはある意味、美容師としての人生に対してさらなる成長を望む自分に気づいた人が通う場所だと思っています。自分自身の技術、美意識、感性などを更新したくて通われる方も多い学びの場でもありますが、学生というよりはメンバーや仲間として、それぞれの個性や才能を価値として認め、美容業界や社会につなげていく場所。そういったハブともいえる場所がSABFAかなと。そのために僕らはいろんな美の扉を開いて、美の可能性と選択肢が無限にあることをお伝えします。刺激ある環境は提供するので、そこからは熱い想いを持った者同士で切磋琢磨し、自分の意思で一歩踏み出す力をつけてもらいたい。これだと思ったクリエイションを、自信を持って表現できる、自分のスタイルを貫ける人をSABFAでは育成しているんだと思います。来春からのコース内容は、僕が校長を担当していた当時の1年間のクリエイターコースとはまたちょっと違った、よりバージョンアップしたものになります。また1年、2年、3年と、フィードバックを重ねながらコースが進化していくのもSABFAの良いところなので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」

情報化社会が進み、多様性という言葉が浸透しつつある今、ヘアメイクアップアーティスト/クリエイターとして原田忠が思う“ホンモノ”とは。そして“ホンモノ”を生み出すべく意識していることについて聴いた。

「時の洗礼を受けてもなお現存しているものが“ホンモノ”だと個人的には思ってます。過去から今まで続いているものには、必ず理由がある。ヒストリーやストーリーがあり、機能的であり情緒的でもある。気持ちをアップさせてくれて、それがあることで恩恵を受けられる、QOLが上がるもの。音楽や映画、建築物などもそうだと思います。もちろん今の時代に生まれたものも、これから本物になっていくものが沢山あるでしょう。ただ美容、多様性というところではあえて美を定義しない方が良いのかなと。人の数だけ美しさはあるから、そこでホンモノはこうですと定義してしまうと、美の多様性が失われます。クリエイターとしては、五感を研ぎ澄ますという意味では、触れる、感じる、実体験の機会を増やすよう心がけています。情報だけで終わらず、感動体験の積み重ねによっていろんなことが消化され血肉になっていくと思うので。モノに限らず、結髪の伝統技術のように時を超えて残っている技術に触れることも僕にとっては大切なことです。作品を作る身としては、“ホンモノ”をいっぱい経験して引き出しを増やして、表現していくことを意識しています」

「僕の作品づくりは、ファッションやアート、漫画の世界観から影響を受けている部分が多いと思います」。資生堂のアートディレクターだった石岡瑛子さん、アニメ「機動戦士ガンダム」キャラクターデザイナーの安彦良和さん、中世ヨーロッパを下地にした剣士が主人公の人気漫画「ベルセルク」作者 三浦建太郎さんの展示の図録。 上から 石岡瑛子「血が、汗が、涙がデザインできるか」(小学館)、安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」(KADOKAWA)、大ベルセルク展 公式イラストレーションブック「THE ARTWORK OF BERSERK」(白泉社)

【Information】
SABFA 2025年4月生募集中
https://sabfa.shiseido.co.jp/school/
https://sabfa.shiseido.co.jp/


Photography: MAYUMI NISHIGORI
Text:KUMIKO ISHIZUKA