美肌のお守り!「ビタミンC」が肌にもたらす効果と役割
26 Jun 2024
いまこそ知りたい、ビタミンのはなし。ep3
ビタミンCは悩み多き肌のお守り。
肌トラブルの原因に届き、働くスキンケアとしての役割。
数あるビタミンの中でも、美容成分として最も聞きなじみがあるのはビタミンCだろう。古くは柑橘類の果汁から抽出した成分で、壊血病を予防するはたらきがあることで知られてきた。そんなビタミンCが、最近多くのスキンケアアイテムに取り入れられている理由は、シミやそばかすを防ぐはたらきがあるからだ。
肌が紫外線によるダメージを受けると皮膚で活性酸素が発生し、還元型の透明なメラニンを酸化型の黒色メラニンに変えてしまう。この酸化して黒く浮き出たメラニンが、日焼けやシミ、そばかすの原因になる。ビタミンCの持つ抗酸化作用は、メラニンを酸化させる活性酸素を減らすだけでなく、酸化した黒色のメラニンを透明の還元型メラニンに戻してくれる役割を持つ。美白効果があると言えるのは、この強い還元力が肌の奥でシミやそばかすの出現を防ぐように働きかけてくれるからだ。
これだけでもビタミンCをスキンケアに取り入れるには十分な理由になるが、さらに注目したいのは、肌の奥深くで皮膚を支えるコラーゲンの存在だ。コラーゲンは肌を構成する真皮の主成分で、素肌のハリやうるおいを保持してくれるもの。しかし、紫外線を浴びることで発生する活性酸素は、コラーゲンまでも劣化させてしまう。ビタミンCの持つ抗酸化作用は、このコラーゲンへのダメージを防ぐことができる。おまけに鉄を併せて摂取することで、コラーゲンの生成も促進してくれるので、シワの予防と改善も期待できるのだ。
このように、何かと悩みが多い私たちの肌にとって、ビタミンCを使ったアイテムはお守りのような存在になる。インナーケアとして内側から、またはスキンケアとして身体の外から、まずはひとつ取り入れてみて。
次のエピソードでは、ビタミンCにまつわる疑問を徹底解剖。こちらをチェック!
監修:斎藤糧三
医師。日本機能性医学研究所所長。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。
参考文献
斎藤糧三(2017)『病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』講談社
川田暁(2019)『女性医師が教えるスーパービタミンC美肌術』日経BP
五関正江(2023)『ビタミン・ミネラルがよくわかる本』つちや書店
Photography: KENICHI SUGIMORI
Edit & Text: KARIN KUROYANAGI
こちらの情報は『CYAN ISSUE 40 S/S 2024』に掲載された内容を再編集したものです。