「イソップ」のフレグランスが“比類なき”理由とは?
14 Jun 2024
5/27(月)〜7/14(日)の期間、「イソップ」フレグランス全10種にフォーカスを当てたキャンペーンが開催中。本キャンペーンに際し、世界中で愛されるスキンケアブランドの“意外と”知らなかったエピソードを深掘りした。フレグランス誕生のきっかけや、製品作りにおける哲学、サステナビリティへの取り組みなど……お見逃しなく!
ー はじめに、今回のキャンペーンについて教えてください。
独創的で、好奇心を掻き立てる10種のオードパルファムからなるイソップのフレグランスコレクションをご紹介します。本コレクションは、感覚を刺激し、予想を裏切り、そして私たちが住む世界を超えた場所へとを誘うことに注力する、イソップの香りへのアプローチをまさに体現するものとなっています。
ー スキンケアブランドとしての歴史を歩んできたイソップ初の香水が生まれたのは、ブランド創設から約18年後のこと。そのきっかけは何だったのでしょうか?
創業当初からイソップが大切にしてきたことは、効果的で目的に適ったケアができるアイテムを生み出すということ。香りはあくまで、含有成分の有用性を第一に考えて厳選されたもの(植物オイルなど)から生まれた、偶然の副産物でした。しかし、製品の香りを楽しまれているお客様の声を多く受けて、香りが引き立つ製品をつくることに。以降、イソップのオードパルファムは、そのニュアンスと慣習に囚われない個性的で豊かな香りのレパートリーへと今もなお進化し続けています。
ー まさに、イソップのフレグランスは“個性的”でユニークなラインナップですよね。改めてその魅力とは何でしょうか?
イソップ フレグランスの大きな特徴として、「今年はこの香りが流行りそう」「女性(男性)はこういった香りが好きだろう」といった、人口統計学的な好みの典型や仮説をあえて考慮せずに香りを探求している、ということが挙げられるかと思います。このアプローチが結果として、他に類を見ない、イソップ フレグランスの個性となり、ジェンダーの垣根なく、印象的な香りに喜びを見出す方々に一つの魅力として捉えていただけているのではないでしょうか。
また、フランスの調香師バーナベ・フィリオン(以下:フィリオン)やセリーヌ・バレル(以下:バレル)など、名だたるプロフェッショナルたちとのコラボレーションも、独創的で、繊細かつ洗練されたフレグランスの創造に繋がっています。
ー Hwyl(ヒュイル)やRozu(ローズ)など、日本人にとっても馴染み深く、心地良いと感じる香りも多いですが、香りのインスピレーション源はあるのでしょうか?
文学、哲学、人物、実際の場所、想像上の場所など、ありとあらゆる事象がアイデアの源泉です。Hwylは、日本古来のヒノキの森と青々とした寺院の苔庭をイメージし生まれた香りです。温かみのあるウッディな香りと大地のようなセンシュアリティが、まるで自然の中に佇んでいるかのような感覚をもたらしてくれます。Rozuは、モダニストデザイナーであるシャルロット・ペリアンの生涯、作品、情熱、そして彼女の名を冠した和ばらにインスパイアされ生まれました。
最近では、イソップはフィリオンとパートナーシップを組み、独創的なフレグランス コレクション『アザートピアス』を発売しました。このコレクションを構成する6種のオードパルファムは、それぞれ「現実」と「非現実」、「此処」と「其処」の境界が曖昧になった空間に着想を得ています。
ー それらのインスピレーションを、どのように「フレグランス」という一つの形にしていくのですか?
バーナベとのコラボレーションにおいては、まずイソップ側が、雑誌の切り抜き写真や植物の葉など、理想とする香りをイメージさせるものを並べたストーリーボードを作りました。
ー なるほど。イメージの齟齬を生まないための共通言語のようなものを作るのですね。
そのストーリーボードをもとに素材を厳選し、香りを配合していくのですが、私たちと調香師の両者が、その香りの個性とイソップを十分に表現できていると納得できるまで、何度も試作を繰り返しながらアップデートを重ねていきます。イソップにおけるフレグランスの創造は、叙情的な行為であると同時に、極めて科学に根差したものでもあります。
ー 商品開発という観点において、イソップはサスティナビリティにも注力されている印象があります。イソップが提案し続ける価値や哲学とは何でしょうか?
私たちのサステナビリティに対するアプローチは、環境への負荷を減らし、社会的責任を果たすことだと認識しています。運営面やバリューチェーン全体における環境への影響を積極的に把握し、まずは、地域のコミュニティ、お客さま、そして社員にとって重要となる課題から取り組んでいます。こうして地球と地域社会への積極的な貢献の拡大を図りながら、“獲得より還元を大きくしていくこと”が私たちの最大の目的です。現時点での取り組みに課題が無いわけではありませんが、継続的に実践を改善し、解決策を見つけ、共有することに努めている、といった点はイソップの提供価値と言えるのではないでしょうか。
Edit & Text MAKO UCHIDA