「ニュートラルな状態を保つ」。河合優実が語る仕事&美容との向き合い方

役柄によって幾重にも表情を変える姿に、我々は翻弄され、また夢中になる。確かなのは、アンニュイな眼差しの奥に佇む確固たる意志と媚びない強さ。そして、そこにはいつも、河合優実がいるということ。


ー 撮影はいかがでしたか?

ファッションやビューティの撮影は久しぶりだったので、すごく楽しかったです。お洋服もすごく可愛くて。赤のセットアップは、スカートだけでも使えそうですよね。

ー 美容のルーティーンはありますか?

シートマスクを夜欠かさずするようにしています。あの時間が好きなんですよね。あとは最近、先行乳液を取り入れてみています。

ー 役柄によって印象が変わる河合さんですが、表現者として気を遣っていることはありますか?

ニュートラルな状態を保つことです。いろんな役を演じるにあたって、メイクや衣装で要素を足していくことはできるけど、引くことってなかなか難しいと思っていて。どういう生活をしている人なのか、美容に気を遣ってるのか、肌が綺麗なのか荒れてるのか、とか。ベースが整ってる状態だと足すことはできるから。髪型も本当はショートが好きだけど、活発とかボーイッシュとか、特定の印象が強い髪型でもあるので、最近はボブスタイルをキープしています。

ー 今回は、夏のノスタルジックな情景をイメージした撮影でしたが、河合さんにとって懐かしい夏の思い出はありますか?

高校の教室でスイカ割りをやったことかな。文化祭準備の時期に、誰かがスイカを丸々1個買ってきて「やろう!」って言い出して。放課後にみんなで残ってやりました。先生に怒られたけど、それも含めていい思い出です。

ー 休日はどのように過ごされますか?

銭湯によく行きます。以前は行きつけがあって、スタンプカードが貯まるくらい同じ所に通っていました。引っ越してからは、いろんな所を巡ってみています。この夏はテントサウナにも行きたいです。

ー 4月から放送が始まるドラマ『RoOT / ルート』についても伺いたいのですが、現場の雰囲気や空気感はいかがでしたか?

撮影はすでに終えたのですが、和気藹々とした現場でした。W主演を務める坂東龍汰くんとは、事務所が一緒で関係性もあったので、バディという表現にリラックスして取り組めました。ミステリー作品には今まであまり馴染みがなかったので、最初は、複雑な物語を理解し、視聴者にも理解させながら、さらには役のキャラクター性もしっかり描いていかなければいけない難しさに悩む部分もあったんですが、土屋貴史監督や坂東くんとしっかりコミュニケーションを取りながら進めていけたと思います。

ー 河合さんが演じる玲奈に関して、ご自身との共通点はありますか?

物語自体は、私たちがいま生きている現実の世界とどこか繋がっているような世界観なので、玲奈という役に関しても、何かを特別に作り込むということはせず、比較的素に近い状態で演じました。

ー 最後に、作品の見どころを教えてください。

ストーリーはもちろん、映像にも注目していただけたらなと思います。今作では、一般的な地上波ドラマでは珍しく、放送前にすべての撮影を終えて、編集期間もしっかり設けて制作しています。それだけ制作チームの方がこだわりを持って作ってくださっていますし、撮影の際にも“どう撮るか”を意識してみんな取り組んでいました。『RoOT / ルート』は、『オッドタクシー』というアニメから派生したコミック『RoOT / ルート オブ オッドタクシー』を基にしたオリジナルドラマなんですが、ストーリーは違えど、世界観を統一させることをとくに大切にしていて、ドラマとアニメと、そして舞台版とそれぞれの事件がつながるように作られているんです。他の作品も観ていただくと、また違った楽しみ方ができると思います。テンポの良いストーリー展開と、スタイリッシュな映像美をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

河合優実

2000年生まれ。東京都出身。2021年に公開された『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』での演技で注目を集め、翌年の映画賞の新人賞を多数受賞。現在放送中の『RoOT / ルート』(テレビ東京)では、W主演を務める。


Photography: TOSHIAKI KITAOKA (L MANAGEMENT)
Hair & Makeup: TOMOE NAKAYAMA (FLARE)
Styling: KANNA MURAMATSU
Model: YUUMI KAWAI
Edit & Text: YUKA ENOMOTO
Text: MAKO UCHIDA

こちらの情報は『CYAN ISSUE 40 S/S 2024』に掲載された内容を再編集したものです。