写真家・嶌原佑矢が参加する展示会『One Stool, One Story Interoffice 50th Anniversary Charity Auction』が、MAARKETにて5月12日(火)まで開催

東京・青山のMAARKETにて、チャリティ企画展『One Stool, One Story Interoffice 50th Anniversary Charity Auction』が5月12日(火)まで開催。ファッションフォトグラファーとしての活動に加え、空間や家具の撮影にも取り組んできた写真家・嶌原佑矢さんも本展に参加している。


家具の輸入や空間プロデュースを手がけるインターオフィスの創業50周年を記念した本展には、建築家やデザイナーなど総勢15名が参加。フィンランドの建築家であるアルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)によって制作された椅子、Artek「Stool 60」を共通のベースとして用いながら、それぞれの視点で再解釈した作品を発表する。

『cyan』本誌にも特集で登場した嶌原さんは、本企画にあたりAlvar Aaltoの出身地であるフィンランドを訪れ、その思想や、土地に根付く暮らしのあり方に触れた。ヘルシンキを拠点に各地を巡りながら撮影を行い、湖や街、人々の営みといった風景を記録。その体験をもとに、椅子というプロダクトに写真を重ねる表現へと展開している。

制作に用いられたのは、サイアノタイプ(Cyanotype)と呼ばれる古典技法。木材に感光液を塗布し、光によって像を焼き付けることで、写真と素材が一体化したような独自の質感を生み出す。さらに本作では、既製品の椅子の塗装を一度全て剥離し、全面に研磨を施したうえで、一面ずつ露光・洗浄・乾燥の工程を繰り返すなど、時間と手間を重ねたプロセスを経て制作されている。

藍色に発色したイメージは、座面には水の風景、脚部には街や人、鳥などのモチーフが配され、見る角度や距離によって印象が変化。さらに最終工程として鏡面加工を施すことで、経年による劣化を防ぎつつ、家具としての実用性も担保している。プロダクトとしての完成度と写真表現が静かに同居する佇まいが、本作の特徴となった。

本展のテーマは「長く使えるもの」。フィンランドで目にした、良質な家具を日常の中で使い続ける文化や、空間に自然と溶け込むデザインへの視点も、本作の背景にある要素のひとつとなっている。

会場では、完成した実物作品が展示される予定。写真では伝わりきらない質感やスケール、光の反射による見え方の変化など、立体作品としての魅力を体感できる機会となる。

『One Stool, One Story Interoffice 50th Anniversary Charity Auction』
日程:4月23日(木)~ 5月12日(火)
時間:12:00 ~ 19:00
会場:MAARKETトーキョー(東京都港区北青山2-7-15)
入場:無料、予約不要
HP :One Stool, One Story Interoffice 50th Anniversary Charity Auction

profile
嶌原佑矢 / フォトグラファー。ファッション、ビューティ、カルチャー領域を中心に活動する一方、空間や家具の撮影にも幅を広げる。被写体の本質を引き出す繊細な光と構成を得意とし、広告・エディトリアル双方で表現を展開。近年は企業空間やプロダクトに関わる撮影やプロジェクトにも携わり、サイアのタイプなどのオルタナティブな技法も取り入れながら、写真の粋にとどまらない表現を探求している。
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HP:YUYA SHIMAHARA